この式はマライアキャリー・ニューアルバムのタイトルで、今年の4月に発売された。
(イーはエム・シーの二乗,イー・イコール・エム・シー・スクエア)はアルベルト・
アインシュタインが発表した特殊相対性理論の著名な関係式でもあり、マライアキャリー
の頭文字のMCをもじってタイトルにしたらしい。
ジョーク好きで音楽好きなアインシュタインがマライアキャリーのCDタイトルになって
いる事を知ったら、どんなにか喜ぶだろうと思うとヒョウキンなアインシュタインの顔が
ちらつく。
同時に、もう一つの顔もちらつく。
それは高校時代に習った物理の先生の顔だ。
良く宿題をしてこない男子生徒の頭を出席簿で叩いていた。数少ない女生徒も遠慮なく叩か
れた。私も恐怖のモグラタタキを数回くらって、すっかり物理嫌いになってしまった。
あれから数十年・・・。物理とは全く疎遠になっていた。
しかし、ひょんな事から「シュレーディンガーの猫」のパラドックスを知り、驚いた。
ある日突然、目の前に違う世界が広がった感覚がした。
私が高校生であった頃、既に量子論と相対性理論はニールス・ボーアとアインシュタインに
よって作り出されていたようだ。アインシュタインは、あまりにも有名なのに、ニールス・
ボーアは、あまりにも知られていない様に思う。勿論、物理学や、その周辺の人達は知って
いたのだろうが。もし、物理の先生がモグラタタキをする代わりに「シュレーディンガーの
猫」のパラドックスを夢を持って話をしてくれていたら・・・と、思うと残念だ。
私が量子論に興味が有るのは、物理学の難しい公式や数式が理解できるからでは無い。むし
ろ、理解できるどころか、数式を見るのも嫌かも知れない。
ニールス・ボーアは「相補性原理」という原理を1927年に提唱している。
「相いれないはずの二つの事物が、互いに補い合って一つの事物や世界を形成しているとい
う考え方」を相補性(相補性原理)という。例えば−と+,男と女,精神と肉体,白と黒,長所
と短所,マクロとミクロ,小宇宙と大宇宙・・等。中国の陰陽思想、仏法の色心不二の考え方
に相当している様に思う。
そして、この考え方は「シュレーディンガーの猫」パラドックスにも通じている。
ここに、私が量子論に興味を持つ理由がある。つまり、量子論と哲学的な思想の関係性に、
深く興味を抱くのである。「シュレーディンガーの猫」パラドックスを解く鍵の一つに
多世界解釈があると言う。SF的発想のようだ。
現実から少し離れた所に自分が時々いて、相変わらず子供じみていると思い、自分自身を
嘲り笑いたくなる衝動に駆られる時がある。そんな時にアインシュタインの言葉を思い出す
事がある。
私達が体験しうる最も美しいものとは、神秘です。これが真の芸術と科学の源となります。
これを知らず、もはや不思議に思ったり、驚きを感じたりできなくなった者は、死んだも
同然です。
(アインシュタイン150の言葉/ジェリー・メイヤー&ジョン・P・ホームズ編集)
そして最近癒されている言葉に、「どうして、自分を責めるんですか?他人がちゃんと必要な
ときに責めてくれるんだから、いいじゃないですか。」がある。(同上タイトル、同上編集)
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