開店初日、立ち寄ってみるとオーナーの入れ替わりと共に本のジャンル
が大幅に変わっていた。
以前は哲学・脳科学・心理学等の分野は、ほんの数十冊位しか並んでい
なかったにも関わらず、今回はワンコーナー、ずら〜っとびっしり並ん
でいる。最近の哲学ブームが窺える。
そして、少し離れた所にブックオフが有り、ここも最近改装された。
ブックオフも頻繁に出入りする所ではあるが大抵は本のコーナーで時間を
使う事が多くCDコーナーは月に3回位、じっくり立ち寄る。
久々に寄ったCDのクラシックコーナーが、無い!と大慌てしていると、ほ
んの数週間の間に、片隅にひっそりとしか無かったクラシックコーナーが、
しっかりジャンル分けされていた。しかも聴きたかったCDが格安でズラリ!
最近、どーもクラシックもブームが来ているように感じる。
そうは言っても私の周囲でクラシック音楽が好きだという人は少ない。
私の場合は高校生時代のクラブが吹奏楽部という事も有り、聴くCDは殆ど
クラシックに近い。
音感はあるがリズム感が無いのが悩みだった。
リズム感は人間以外の動物には無いと言われていたので、リズム感の無さ
は天性だと諦めていた。
しかし、鳥には有るらい。人間のリズム感は年を取っても鍛える事が可
能で鍛えるゲームが作られているという。しかも、つんくプロデユース。
もっと早く作って欲しかったな〜!
ブックオフでカラヤン指揮のシューベルト「未完成」を見つけた。
たったの2楽章なのに非常な感銘を受けた。10代から20代にかけて聴
いていたにも関わらず、それほど感動した記憶がないので「えっ?!」
と驚いた。
シューベルトは何となく優しく人間的で日常的というイメージが自分の中
にあったのが、何故かとても神秘的で、もっと聴きたいという欲求と何か
掻き立てられるような思いが込み上げてくる。躍動感とは違う不思議な感
覚がした。
私はクラシックを聴くのは好きだが難しい知識は無い。
主旋律や作曲家の名前が一致しなかったり、題名すら分からない。
しかし、そこに流れる作曲家の哲学的なものや演奏家の出す音色に、とて
も魅かれる。
シューベルトは父親との不和が原因なのか劣等感が強かったようだ。
人間の感受性は優越感より劣等感の方が、より深く研ぎ澄まされる気がする。
31歳の若さで他界するまで経済的な理由で、自分の作曲した交響曲を一
度も聴いていないという。だとすればCDを思い存分聴ける現代人は、何と
幸せな事だろうか。
音楽は言葉が無くても聴き手に伝わるものがある。
その時その場所で、感じて受け取るものが違う。
聴き手が自分の人生を悩み苦しんだり、愉快に楽しく生きる事で経験し、勝ち
得た哲学的な感覚が、何百年も前に生きた人達と共感できる何かを音楽を通し
て感じる事ができる。・・・と、実感できるのは年のせい?
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