前日に給与明細を社内ネットワーク上で確認でき、
かなりワクワクした気持ちになった。
銀行で記帳をし、
いざ引き落としてみると、普通にお金だった。
あのワクワク感は、一体なんだったんだろう。。
せっかく働いてお金を手にしたのだから、
少しは贅沢をしようかとゲイバーへ行った。
「あら、久しぶりじゃないの〜」と迎えられ、
一杯、また一杯と飲んだ。
あれこれ楽しく話し、会計をして外へ出ると、
これが私の贅沢なのかと、ほろ酔い気味に自身へ問うた。
私のこれまでの給与の位置づけは、
借金返済のウエイトが非常に大きかった。
借金の元凶は、一人暮らしを始めてすぐに起きた。
給与と生活費のシュミレーションが物の見事に外れてしまい、
足りないお金をカードで借りるクセをつけてしまったのだ。
実家へ戻るという選択が浮かんだときには、
すでに数十万の借金になっていて、
理由を問われるとそれに答えられなかったから、
帰るに帰れなかった。
とにかく派遣でもバイトでも食いつないで、
返済をすることがライフワークになるほどだった。
自分のキャリアとか生き方を考えるより、
いかに給料日を迎えるかが大事になっていった。
いつも返済のことが頭から離れず、
それは緊張しどうしということでもあった。
だから給与が振り込まれると返済できる安心を感じ、
切り詰めた暮らしの中、バーで飲むのが至福の時というは、
私なりの一時的な拠り所だった。
それが現実問題を解決するための拠り所ではなく、
単なる逃避から生まれた感情だなんて知る由もない。
返済という目的のために自分をごまかして働き、
その報酬に返済から得られる安堵を感じる。
これが人生脚本というもの。
給料が普通にお金なのは当たり前、
バーで飲んでも、会話は楽しいが至福とまではいかない。
お金との付き合いは、もうしばらくはお友達ということで。