2013年01月17日


405 <七色仮面の告白日記>

かもめはかもめ

先週、本社への異動打診があった。

異動自体は、会社に属しているのならよくあることだろう。
しかし私の場合、現在の生活状況や自身の性格傾向、
ましてや転居を伴うのであれば、慎重にならざるを得ない。

この一週間はその対応に追われていて、
昨日正式に「辞退」を告げることで収束した。
それは同時に、今月の試用期間満了で退社する選択ともなった。

現実問題、異動の辞退を選択したのは適切であるに違いない。
試用期間の退社も、人事との掛け合いの末に、
会社側が現段階で応じれる限界であるとのことで、
これもやるだけのことはやった。

だが、今でも気持ちの面ではくすぶっている。
それは、異動の辞退や試用期間の退社よりも、
私が描いてきた理想の人生のためなら、
主張よりも会社に同調してしまう不甲斐なさだ。

名のある会社、希望の業界、障害者枠での雇用、
サラリーマンという暮らしを手に入れても、
所詮理想と現実の差は程遠い。
これほどはかなく、錯覚めいたものだったのか。
つかみたくて、得たくて、何かと努力してきたのに、
私のこころの何一つ埋めてやしない。

それを手放せばいいじゃないか。
この結末は、改めて生きるチャンスじゃないか。

そう考えつつも、なぜかじわっと泣けてくるのは、
根深い禁止令へのやりきれなさなんだろう。

かもめはかもめ。

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2013年01月10日


405 <七色仮面の告白日記>

お役立ち

昨年末のCSN忘年会の日は、
あいにく職場の納会&送別会が重なった。
そのため私は二次会からの参加を申し出、
一次会参加メンバーからその様子を聞くことにした。

その中で非常に印象深かったのは、
「人の役に立つ」というフレーズだった。
席上での話しの成り行きは色々あったようだが、
私もふと「人の役に立つ」とは何かを考えた。

あれこれ考え単純だが、
「私がこうすることで相手が喜んでくれる」が、
フィットしたイメージだ。

職場を例にすると、
複合機に受信されているFAXを宛名の人へ手渡して、
「ありがとう」と言われる。
私がある既存のデータを加工して使いやすくし、
「ありがとう」と言われる。

「ありがとう」の言葉には、
私なりに嬉しい気持ちを感じるわけだが、
それは「役立つ」という点では、
自身が満たされていることになるのだろうか。

データの加工は、一見使いやすくさせたという点で役立つが、
ある人にとってはそれが逆に使いづらくなることもある。
それはデータをこのように加工したという自己満足はあるが、
そこに相手の要求がどれだけ介入されているのかが必要だ。

FAXの場合は、破損したり相手を間違えなければ、
「持ってきて」と言われない限り、
相手の要求というのはそれほど介在しない。

私は「誰かの役に立つこと」は、まんざら悪い気がしない。
むしろ、嬉しくなるほどだ。
そう思う心の裏には、私の何かがあるだろう。

「誰かの役立つことを考えるなら、自分を本気で見ろ」という、
直接ではないがそう話したというT先生の言葉の真意が、
果たして私にはどうなのかと考えたからだ。

自己満足のデータ加工と、実際的なFAX持参。
さて、私はFAXを持参することにも「役立ち」を
どれだけ感じられるのだろうか。。

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2013年01月03日


405 <七色仮面の告白日記>

はじめて寝正月

今回の年末年始は、実家へ帰らずに自宅で過ごしました。

昨年末から風邪で喉の痛みや咳がひどく、
それでも帰ろうかと迷ったけれど、
どうしても体調のすぐれない感じが勝り、
両親へ連絡をしたのです。

両親から…
「実家で寝ていればいいじゃないか」
「おしいもの食べてれば治る」
「せっかくたくさん作ったのに」
ありがたいながらも、こう答えるだろうと思った。

一方、私…
「実家でも自宅でも寝てるのは同じ」
「行って帰ってでもしんどい」
「行ったら行ったで、どこかへ行くのもイヤだ」
はぁ、そこまでしなきゃならないのだろうか。。

なんとか折り合いをつけ、とうとう見送りにさせた。
そして大みそかの晩は、今までにないほど静かだった。
それもそのはず、ほとんど寝ていたから。
23時頃にテレビを点けたものの、1時間ほどで消してしまった。

思い出していたのは、
元旦に帯状疱疹を患いながらも日帰り旅行へ行ったこと。
たまにはゆっくり家で過ごしたいと言っても、
どこへも行かない正月なんてと言う父のこと。

親孝行ということを思えばそれもいいんだけど、
今度ばかりはそんな気持ちにうんざりしていた。

私が過ごしたい正月を送りたい。
かといって、何か特別なことがあるわけでもない。
つまりは、体調がすぐれないんだから寝かせてくれー!
それだけです。

そして元日も食べたいものを食べ、眠りたいだけ寝る。
外出はほとんどしないで、ネットをいじる。
そうこうして、三が日も終わろうとしている。

正月だからって、
そんなに変わらないんだというさみしさを味わいつつ、
やっかいな咳とともに、はじめての寝正月でした。

これで少しは、チャージアップしたかな?!

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2012年12月27日


405 <七色仮面の告白日記>

カウントダウン・Forty

24日の3日前。
職場では季節柄、掃除関係の業務がメインになっていた。

統括する各センターから届いていた産業廃棄物を、
一括で専門業者へ引き渡す作業があった。
「これ不燃と書類が一緒ですよ!」と業者の喝が入り、
あれだけ社内通達していたのに、やはりこういうことは起きる。
結局全部の段ボールを見直して搬出が終わると、
「これは捨てれる?」と、終わったそばからごみを出し始める。
もう、知りません!!

私の前任者が、なにやらキャビンを磨き始めた。
「なにをしているんですか」と聞くと、
「こうやってキレイにすると、来年も使う人が気持ちよく使えるでしょ」って。
この人が慕われるのが、なんとなくわかる気がした。

私もごみごときで、カリカリしていては身が持たないな。。
それが終わると、三連休だ。

24日の2日前。
通称「女子会」があった。

女2人に男の私の計3人で会う食事会で、
最近の近況を話したりしている。

一人は職場でパニックに陥ってから休職をし、
その傍らで遠方に住む父親の看病をする生活を長いこと続けてきた。
その父親が先日他界し、私はどうなるかと思いきや、
「こんな日は予約しなきゃダメよ」と率先して仕切ってくれた。

もう一人は、かつて有名企業に入社するも倒産の憂き目に遭い、
派遣社員として大手企業を渡り歩いてきた。
現職場で出会いがあったそうだが、
昨年病に伏せた父親は余命いくばくもない状況にも関わらず、
「この間こんなことあってよ〜」と、私以上に勇ましく語った。

二人とも、16年前にバイト先で知り合った。
私の年下だが大変口が達者で気丈なのに、それでいて気を使うタイプだ。
数年前に、ゲイであることを打ち明けてから、
かつて無邪気に遊んでいたころと違い、
話題に両親や結婚といった身近なことも話すようになった。

私も、もう少し地に足の着いた考えをしなきゃダメかな。

24日の1日前。
なんとなく調子が悪いながら、ゲイバーで飲む。

飲む回数が増えると、比例して顔見知りも増え始める。
このときも「久しぶり〜」と、
私よりやや年上の「サブちゃん似のねーさん」が座り、
この人の恋愛話になった。
なにやら、このバー主催の忘年会で素敵な人と会い、
声をかけたら一緒に飲もうと言うことになり、
ものすごくウキウキになったそうだ。
よく聞くと、ねーさんはその男と寝ることを思惑としていた。
二人で場所を変えて飲み、なんとなくいいムードになったのに、
ねーさんの口説きをあっさりかわし、さっさと帰りやがったそうだ。
ねーさんは、なんでダメなんだろうと私に問いながらグイグイ飲み、
いつしかカウンターで寝てしまった。

ゲイは年齢を重ねて一人だと、なかなかパートナーができにくいそうだ。
私は悪寒を感じ、いつもより早く家路についた。

24日当日。
風邪をひいた。そして、40歳になった。

就業という過度な緊張が続き、ホッとしたところで少し遊びすぎたかな。
40歳なのに。。なんてことを自戒しつつ、ベッドの中でグズグズして過ごす。
前日に、とある方から着信があり折り返すと、
「バースデーに風邪??」を二回繰り返し言われた。

タイトルの意味には、
40歳になることが時限爆弾が爆発しそうな焦りを感じていた。
それは、30代でしかできないこと、30代だから許されることが、
全て消えてしまいそうな気がしたからだ。

職場のワンシーンも、女子会での一幕も、ゲイバーの会話も、
30代のうちにもっと経験したかった。
じゃあ、30代と40代の違いは何かと言えばなんだろう。

社会的には責任とかステータスというが、私には今更という気もする。
そんなの気にしないという気持ちこそ、そういう世間性を拭いきれない私なんだと。
そして、いやでも年齢をかさねる事実。

40歳という節目を、とても大きな壁のように感じていたが、
いざ迎えると、意外とあっさりしたものだ。
でも、実際の壁はまだ立ちはだかっているのだろう。

40になった私は、こうして年齢を重ねていく。
色々な人と出会い、話を聞き、そして私はまた来年に向けて年齢を重ねる。

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2012年12月20日


405 <七色仮面の告白日記>

ランチ模様

目下、今の愉しみといえばランチタイムだ。

勤務地は準ビジネス街的で、朝のラッシュ時はもとより、
ランチタイムも人の往来が激しい。
そういった立地からか、飲食店が目立つ。

そんな中、私がいきつけにしているのが、
ワンコインランチでお馴染み「さくら水産」だ。

さくら水産.JPG


先週まで、ブリの照り焼きがランチメニューに出ていた。
私はここで、刺身以外の魚料理は、食べたことがなかった。
ここはおかずを作り置きしているから、
焼きたてのおいしさにありつけなく、
あまり食べたい気にならなかったからだ。

ブリの照り焼きがメニューにあったときも、
あまり食べる気がしなかった。
でももう一つのランチがハンバーグでさらに食べる気がしなく、
ためらいつつも初めて焼いている魚を注文した。

ものの一分でブリの照り焼きが出され、
おそるおそる食べると、これが意外や意外におしかった!

風味がしっかりしているので食べごたえもあり、
その切り身の大きさに圧倒し、
それでごはんは二杯いけました。

これで味をしめて、
ブリの照り焼きの日を狙っては、何回か食べた。
しかしメニューが更新されて、
ブリの照り焼きはお目にかからなくなった。。

ランチの店は多いはずなのに、開拓する気になれない。
昼休みが50分と半端に短く、
少しでも出遅れると、たちまち待ち時間をくらうことになる。

そうなるとチェーン店になり、
さらにリーズナブルに済ませたいなら、
どうしても行く店はかぎられるもの。

その辺に偏りがあるなと思いつつ、
きっとさくら水産へ行くのだろう。
おいしいんだもん。

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2012年12月13日


405 <七色仮面の告白日記>

面白くないんです

とにかく、おもしろくないのだ。

商品がそばにあるのに、
「業務に関係ない」という理由で、触れることが許されない。
職場の人と緊張はするけど少し話したいのに、
「詮索される可能性がある」という理由で、
食事すら行くことを見合わせるようにと指示された。

私の障害を配慮してとでも言えるし、
その逆とも考えられる。
その真意を、会社では聞けないだろう。

先週アウェーでいるのも悪くないと言いながら、
強がりなのはとっくに気づいている。

商品に触れなくても、
職場の人と話す機会が少なくても、
「続けることで自信をつけたい」という気持ちで、
私は会社勤めを選んだ。

その目的を成すために、なんの面白味もないことでも、
やっていくこと。
その一心だけで、朝から黙々と仕事をする。
その姿を第三者的な目でイメージすると、
とても面白くなさそうだ。

ラケット感情だとわかってても、
面白くないと思っても、
とにかく会社に行けばなんとかなると信じてみるしかないね。

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2012年12月06日


405 <七色仮面の告白日記>

アウェーに仕事

勤め始めて一ヶ月、
おおまかな仕事の流れはなんとなくわかりはじめてきたが、
会社独自の文化の不慣れさや、
中途入社経験者なら感じるだろうアウェー感が拭えない。

周りを見れば、
裏方事務を30年していますというボスを筆頭に、
現場から異動して16年目だとか、
私の前任者の派遣社員でも8年ほど勤めるというほどに、
社歴の長い人が多く、そして女性が目立つ。

社歴が長い人の集まりにポンと入り込むのは、
どうしても「部外者」の感じを持ってしまう私。
そこへ、社内の徹底されたガイドラインの存在がある。

以前なら女性と会話するのに抵抗はなかったのが、
「こんなことを話したらセクハラかも」と、
やけに慎重になっている私がいる。
それは、ガイドラインにほかならないのだ。

そのため、必要最低限のことしか話さないから、
いまいち関係の築きづらさが、アウェー感のひとつかもしれない。

ある女性がラインのキレイなスラックスを穿いて来て、
「かっこいいですね」と声をかけたい場面があった。
しかしガイドラインというものがあるとおいそれとは言えず、
「そんなことも言えないのか」と思うふしもあるが、
その一言が必要なのかを考えさせるのだ。

案外、職場ではそれほど必要ではないのだ。
確かに会話の糸口にはいいのかもしれないが、
別にそれを言ったから親しみが湧くことは少ない。
むしろ身なりや外見のことは誤解されやすいだけに、
かえってその一言が尾を引くことも考えられる。

いらぬ詮索は仕事に支障をきたす観点では、
「個」が非常に守られていて、
それがガイドラインを尊重する環境であり、
業績につながるという仕組みなのだろう。

楽と言えば楽ではあるが、さみしい感じもある。
かといって仲良しグル―プのような職場や、
上下関係が厳しいのも居心地はよくない。
ならば、理想の職場の人間関係とは、なんだろう。

とりあえず、アウェー感で立ち続けてみることも、
悪くはないかもしれない。

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