最後まで独身を貫くと思われていた彼女だが、
それでも出会いを求めて様々な行動をしていたから、
この報告は驚き半分当然半分でもあり、
実を結んだことは喜ばしくあった。
交際当初は今後付き合うのかどうかも微妙な様子で、
結婚についてもYよりも相手の方が乗り気だったようだ。
実際に交際相手ができたと聞いたのは昨年末で、
それから半年は紆余曲折がありながらも、
現実的に物事を運ばせる傾向のあるYが、
彼と歩んでいこうと決めたのだ。
そんなYは親族からどんな式をあげたいのか、
好きなようにあげていいと言われているものの、
それに甘んじることはできないという。
Yには結婚式の理想がある。
でも現在の状況や諸事情、今後の経済的なものを考えると、
その理想を通すわけにはいかないそうだ。
だから理想は胸にしまって身内だけで済ませるのだという、
実にYらしい発想だ。
むしろ私やメンバーのMのほうが、
理想を通したほうがいいだの、時期をずらしたらどうか等々、
ワーワー言って盛り上がった。
「私がいいと思っているからいい」と、
Yがあまりにも突っぱねた感じの言い様なので、
私は結婚をしたいと思った理由を尋ねた。
すると彼の右腕が抱きつきやすく、
この人の子どもなら生みたいというものだった。
結婚式は一瞬だが、結婚生活は半ば一生。
式は理想どおりでも、生活は理想とはいかないことを
現実派のYなりに気づいているはずだ。
だから彼の右腕の抱きつきやすさが好きだという、
Yの情緒的なところが垣間見え、なんとなくだか安堵した。
だって、あまりにも現実すぎても。。ねぇ。
私をゲイだと知り、毒を言い合える数少ないYの結婚。
さみしいものはあるが、どうかYの理想とする家族をつくりあげてほしい。