2013年11月07日


405 <七色仮面の告白日記>

ホンモノはいずこへ

昨今、ニュースを賑わせている食品表示偽装問題。
大阪のホテルを皮切りに全国へ広がり、
ついにはデパートまでその事実を明らかにしはじめた。

いい食材を使い、見た目の豪華さに目を奪われ、
高額な金を払ったのに食材はニセモノと言われれば、
腹のひとつも立つかもしれない。

しかしそれは「金」という対価が引き起こすもので、
もし本物の食材を知り、自分の舌に正直であれば、
このタイミングで腹が立つこともないだろう。

この不祥事は非難されるものではあるが、
微妙な味加減がわからなくなっている消費者はどうなのだろう。

魚は産地によって味は違うもの。
肉は切り落としかミンチの寄せ集めなのか。
そして本物のおいしい食材こそ、
無駄に加工したり手を加えない。

私もそうだが、どれだけ本物の味を知っているのか。

味に違和感があれば、食したそのときに感想が出る。
しかしそれがホテルやデパートで提供されているから、
一時でも「おいしい」と感じたのなら、
それは味覚ではなく錯覚を味わったのだ。

期待があるからこそ引き起こす悔しさだったり、
本当においしくないものを口にした悔しさだったり、
人それぞれに考えられる。

いまどきの料理は、加工品か何かしら手を加えている。
一食材で勝負できない事情も背景にあるのだろうが、
それはまさしく食文化の衰退とも言えるだろう。

高額な金を払っても本物を口にできる時代は、
もはや終わっているのかもしれない。

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2013年10月31日


405 <七色仮面の告白日記>

レンタルフレンド

レンタルフレンドというサービスが生まれている。

行きたいお店があるけど一人では心細い。
誰かに話しを聞いてほしい等々、
いわば性的サービスのないデートクラブといったかんじだが、
なんだか人間関係を築きにくい人へのヘルパーのような印象だ。

ケースにあがっていたのは、30代の独身男性。
月一回、車で東京にやってきて、
待ち合わせていた女性と共に買い物やイベント、観光地など
様々な場所へ行く。

世間話をしながら色々見て回ったり、食事をしているうちに、
いつしか身の上を話をポツリと話す。
そして別れの時間に、料金として数万円を女性に払う。
この女性こそ、レンタルフレンドのスタッフなのだ。

利用者は、様々な動機でこのサービスを使うようだ。
この男性は長年交際した女性から別れを告げられ、
納得がいかずにストーカー行為のギリギリまで及んだとき、
このままではいけないとこのサービスを知ったそうだ。

記事を読み終え、一抹の寂しさを感じた。
それはレンタルという手軽さで一時の人間関係が作れてしまい、
それが微妙な潜在需要とマッチしている点だ。

知人だと話しにくいが、専門家に相談するほどでもない。
じゃあ誰でもいいかといえばそうでもない。
そこへこのレンタルフレンドが介入し、
知人でも専門家でもない人と定期的に会い、一時の満足を得る。
しかしビジネスである以上は、対価を払えなければ会えない。
現実逃避だとか代償行為だとかいっても、その場をしのげればいいのだろうか。

先の男性は、当初お金を払って女性と会うことに抵抗があったらしいが、
この女性と色々なところへ出かけ、心のうちを話すうちに、
嫌なこととか忘れられ、これでいいと思うようになったそうだ。

金を払うから欲しいときに居ればいいというのは、
人間関係の希薄さを更に助長しそうだが、
それでも居てくれればそれでいいのだろうか。

別にフレンドだから特別なのではなく、
セクシャルなものや出会い系SNSも似たようなものだ。
レンタルというカジュアルな感じのしない、
現代を象徴するような表裏のあるサービスだ。

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2013年10月24日


405 <七色仮面の告白日記>

そして、また会社へ

一昨日、面接をすすめていた特例子会社から内定をもらった。

これまで内定連絡といえば電話が主流で、
そのときに「ありがとうございます」とか今後のこととか、
会社側と少しは会話をしていたものだ。

それが今回の内定はメールの通知で、
雇用条件や今後についてもメールという、
実にあっけない感じだ。これも時代なのでしょか。

ともあれ、ふたたび宮仕えをすることにした。

偶然だが、昨年入社した会社も今回とほぼ同時期に面接をし、
採用が出て、入社日まで同じだ。
ただ流れとしては、今回は面接の回数が多い分よく話し込み、
業務内容もやりたい仕事というより、
私が持ち合わせている条件で収入を得られるところを主にしたので、
そのあたりが前回とは大きな違いだと考えている。

何より特例子会社というバックボーンは、
昨年通った就労移行支援事業所と似通っている点もあり、
それが安定材料のひとつにもなった。

内定以降毎日のように入社書類や業務事項について、
メールが送られてくる。
正式な採用通知は、さすがに郵送だろう。

去年の慌しい経緯を思えば、いくらか穏やかではある。
今の時代背景や私の年齢を考えれば、
職に就けたのは嬉しさ半分、通うとかの面倒さからくる緊張半分だが、
むしろ生活保護とどう向き合っていくかだ。

制度を利用してきただけ、葛藤はある。
保護費で最低限の暮らしという安心感は確かにあるが、
その安心は法改正や扶助減額により確実に崩れつつある。
いつまでも安心ということは、この世にはない。

勤め始めたら色々あるだろうが、それなりにやっていくだろう。
そのことを信じて。

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2013年10月17日


405 <七色仮面の告白日記>

面接後記

二次面接の結果は、早々にわかった。
今度は三次面接で、一体いつまで続くのだろうと思うほど、
回数をかけている。

おそらくこれで最後だろうと考え、
それなりに対策を立ててみようかとツールをあさった。
最終面接の心構えとして、
これまでの経歴アピールではなく、
その経歴がいかに深く具体的であるかを話すよう心がけましょうとのこと。

経歴を深く具体的にとはなんだろうか考えつつ、
それなりにいくつか書き出して、当日を迎えた。
面接官は二人いたが、キーマンは一人だと察しがついた。

そのキーマンから開口一番
「なんで働きたいの?私はもう働きたくないのにねぇ」と、
いきなりの言葉に、ややドン引きしてしまった。
隣にいたもう一人の面接官も笑っていた。

そういえば顔がやつれ気味かなと思って、
私は「そうですね。。」と濁した答え。
こういうときに「お疲れですか」とか「働きたいです」と、
はっきり言わないところが私の弱点のように思っていたが、
いざ面接の場面では出にくいもの。

次々に繰り出される質問に、
ツールに書いてあった「最終面接への心構え」へと結びついたのだろうか。
私は「収入が目的です」と言いたいものだが、
面接の場を考えると何か言葉の工夫がいる。

とっさの場面や相手のペースに巻き込まれているとき、
自身が安定した気持ちで居られるかは、
日ごろの態度や意識が問われているように思う。
どんなに対策を練っていたとしても、
気持ちや場に呑まれていてはチカラが発揮できないも同じだ。
どんなに省みたとしても、あとは結果だけ。

あいにく台風26号が影響し、
交通機関や面接の延長など余計な心配が重なってせいか、
面接の帰り道はしばし呆然としていた。

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2013年10月10日


405 <七色仮面の告白日記>

思いがけない選択

工場の跡地らしき場所に林立するビルとショッピングモール。
私は二次面接を受けに、この地へやってきた。

年頭で退社して以来会社勤めはこりごりだと思いはしたものの、
独立して何かやるほどの手腕や知識があるわけでもない。
私の経験をかけて展開できることがしたいと考えたとき、
希望業界で働きたいという視点から、
貯金をし、資格をとり、そのためにまずは収入を得ることが目的になった。
それならもう一度宮仕えするのも選択のひとつだ。

こうしてこの一ヶ月でアルバイトを2社受けてきたが、
なかなか思うように結果が出ない。
アルバイトだと比較的結果が出やすいと思いきや、
障害開示をしていないぶん、
年齢や深夜勤務対応等の条件があって厳しくなる。

そんな状況下で進んだのが、今日の会社だ。
書類提出のインタビューから一次面接、
適性検査を経てここまできたのだし、
それなりに見込みがあると信じるぶん、
ナーバスになるほどチカラが入っていた。

二次面接の結果はわからないが、
こうやって進んでいけばきっと目的は叶えられるだろう。
なによりこういう選択をするとは、我ながら思いもしなかった。

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2013年10月03日


405 <七色仮面の告白日記>

シスターボーイは戦う人

美輪明宏だけを取り上げた、30分の歌番組を観た。

彼といえば、金の長髪で霊だとかオーラだとかをとくとくと話し、
歌手というよりスピリチュアルコメンテーターといったイメージで、
これといって興味がなかった。

本業の歌もそれほど惹かれず、
代表作の「メケメケ」「ヨイトマケの唄」は聞いたことがあっても、
好んで聴くようなものではなかった。
「愛の讃歌」もカバーしていたが、やはり越路吹雪がいい。

昨年末の紅白歌合戦では初めて出演をし、その絶唱姿は高い評価を得ていた。
周りが「すごい、すごい」というほど、私にはピンとこなかった。

だが先週、寝る前にテレビを消そうとチャンネルを変えたときに、
偶然にも彼が映った。
ステージ衣装は紅白に出演したときと似たようなもので、
たぶん「ヨイトマケの唄」や「愛の讃歌」あたりを歌うのかと思い、
30分程度だし観ることにしたのだ。

しかし驚いたことに、選曲はこれまで封印していた曲ばかりだった。
戦争により失われた命とその悲惨さを歌った「亡霊達の行進」。
原曲のシャンソンをもとに、彼が自らが訳詩、歌った「人生の大根役者」。
そして、ヨイトマケの唄が出るまでの辛い時期を歌った「金色の星」。

感想はそれぞれあるだろうが、
私は美輪明宏に「この人はやはり男だ」と感じるものがあった。
それは格好だけの話しではなく、やはり経験が培ってきたものだろう。

戦争、シスターボーイ、反戦歌の発禁。
これら一連の経験はどんなに自らの思いを声にし、表現をし、訴えても、
世相や社会の不条理とぶつかり、打ちのめされることがある。
それでも諦めることなく戦い続けてきたからこそ、
養われてきたもののように思う。

戦争はしてはならないという先で人的差別があるのは、
どうしても矛盾でしかない。
消されてしまうのか、消される前に何かするのか。

美輪明宏という人は、歌とシスターボーイの格好を武器に、
その社会の矛盾の中を生きた人なのだろう。

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2013年09月26日


405 <七色仮面の告白日記>

ちぐはぐな初秋

朝晩、少しずつ肌寒くなりましたね。

9月から年末にかけては一気に月日が過ぎ去り、
3ヵ月後は12月26日、年末です。

先月までは「暑い暑い」と言ってたのが、
一月違うだけでもう年末のことが話題になる。
8月からの半年は、本当にめまぐるしい印象があります。

季節や時間は、本当に待ってくれない。
うかうかしていると、考えているだけで日が暮れてしまいそう。

それも生き方としてはありだろうけど、
もう少しなんとかしたいものだ。
きっと私に、ほのかな欲が出てきたんだろう。
駆り立てられているというよりは、取り戻したい。

次に「朝晩、少しずつ暖かくなりましたね」と言えるころには、
その取り戻したい作業が続いていて、
道しるべらしきものが整っているといいな。

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