2010年07月12日


かなりん <カウンセラーかなりんの遊々随想>

歯の衣なんぞ脱ぎ捨てろ!

 ふとしたはずみで見つけたサイト↓。

http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2010/07/post-63e2.html

 このくらい歯に衣着せずに物言えたら気持ちいいだろうねえ…
と、今日はのっけから人の褌で相撲をとるかなりんです。
(書いた名前も一部かぶってるし、勝手にちょっと親和感)

 それにしても「みんなの党」って何だ?

 毎日読んでる「福祉」のテキスト。
先月は「介護保険制度」、今月は「障害者自立支援制度」。
立て続けに「福祉の二重苦」が来たと思ったら、来月は
「児童・家庭福祉制度」だから、早々に「三重苦」の揃い踏み。

 長ったらしい法律の名前が、これでもかとばかりに羅列された
文面の行間に、筆者のそこはかとない苦悩がにじみ出る。
「福祉」は「市場原理」には馴染まず、しかし、この国には金が無い。
「みんなの金」を使うには「みんなの合意」が必要だ。
「介護予防制度」とか「自立支援制度」を彩る高邁な理念の陰で
切り詰められる福祉政策。どの章の最後にも「課題は多い」の
ひと言がある。歯に衣着せまくって理想を解く筆者の胸中に
渦巻くや虚無の嵐。

 そして…先週読み終えた桜庭和樹著「私の男」の結末は
この上なく衝撃的ではあるけれど、ぎりぎりのところで
リアリティーが無いっていうか、どうも歯に薄い衣が被っている
感じが否めない。だって小説は「みんな」に読んでもらわないと
金にならないからね。真っ裸では「みんな」顔をそむけて
しまうからね。何年か前の「紅白歌合戦」みたいになっちゃう
からね。

 目に青葉、口にはマスク、歯に衣を!
 
 ↑「みんなの標語」

 

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2010年07月05日


かなりん <カウンセラーかなりんの遊々随想>

泥の中から立ち上がれ!

  「戦う君の歌を
  戦わない奴らが笑うだろう
  冷たい水の中を
  震えながらのぼっていけ」

 中島みゆき「ファイト!」の一節です。
 

 「戦わない奴ら」は沢山いる。
 そんじょそこらにうようよしている。

 
 戦いというのは本当は不様なものです。
なぜなら戦いでかっこいいのはほんの一握りの勝者だけで、
戦う人の殆どは、あえなく敗れるのが常だからです。

 
 「戦わない奴ら」が戦わないのは、
 不様に負けるのが嫌だからだ。
 その不様さを持ち堪えられないからだ。
 彼らは「戦っている君」を笑い、体裁を繕うことに汲々とする。


 中島みゆきが秀逸なのは、「ファイト!」という
勇ましいタイトルのもとに、戦いの本質である
「不様な敗北」を抉り出したところです。

 
 「暗い川の流れに打たれながら
 魚たちのぼっていく
 諦めという名の鎖を
 身をよじってほどいていく」

 始めから勝ち目のない戦いなんぞしない方が利口というもの、
みんなそう教えられてきたのです。諦めはもはや習い性。
鎖でつながれているという意識すらない。
 

 自らの不様さに打ちひしがれて
 絶望のぬかるみに倒れこんだ僕は、
 「戦わない奴ら」の嘲笑のなかで
 泥だらけの身体を起こすことができるだろうか・・・。



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2010年06月28日


かなりん <カウンセラーかなりんの遊々随想>

夏も近づく・・・

 ・・・八十八夜はとおに過ぎて、今日で何と百四十五夜!
一年で昼が最長の日を「夏至」とはよく言ったもんで、
その後の気配はまさしく夏。

 暑さと湿気ははドーナツには大敵なので
「縁」では商品管理に頭を悩ます日々が続く。
おまけにスタッフ不足とスペース不足でカフェスペースはピンチ。

 夏向きの新製品開発やドリンクのテークアウトと、
懸命に智恵を絞るスタッフ。ゆっくり休む暇もなく
疲れもピークに達している。

加えて大幅にずれこんだNPOの決算に追われる月末。

今年の夏はひときわヘビー。


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2010年06月21日


かなりん <カウンセラーかなりんの遊々随想>

暴力的な、頽廃

  先日来、暇さえあれば「社会福祉士通信教育課程」のテキストを
読み耽る日々が続いている。畢竟何冊もの「並列読書」はできないので、
買ってからずっと読まずに温存しておいた、とっておきの一冊「私の男」
(桜庭一樹著・文春文庫)についに手をつけてしまった。「福祉」という
現実的世界から全く異次元の世界にワープさせてくれる、またとない
絶妙なコンビネーション。私は密かに「福祉の友」と呼んでいる。

 数日前の深夜のこと、長時間の「福祉づけ」にいい加減倦み疲れて、
例のごとく「福祉の友」に手を伸ばし読み始めた私は、何とも衝撃的な
表現に出会ってしまったのである。目にした途端に、何かで心臓を
グワッとつかまれたような、身体中に、ビビッと得体の知れない感覚が
走り、胸の奥がざわざわと音を立てるような・・・、そんな言葉。
「暴力的な、頽廃」

 このところのブログでも書いたように、私は2週続けて講座を担当し、
その翌日にめまいで動けなくなった。数日間の自宅安静を経て症状は
治まったが、今もその残滓は身内にしつこく粘りついているような気がする。
過去も何回かふいに私を襲い、身動きを奪うその症状は、まさに私の
身内に渦巻く「暴力的な、頽廃」の象徴、である。

 件の講座では、「共感的理解」のテーマに沿い、2講座とも同じような
話をした。

 ・・・人間は全くその人と同じように感じたり考えたりすることはできない。
従って完全に他者を理解するなどというのは幻想に過ぎない。それでも
人は自分と同じように感じ、考える他者を求め、理解されることを切望
してやまない。しかし皮肉なことに、切望するほどに絶望するのです・・・

 ・・・人は誰も皆違うのだ、と心底思い定めるのはなかなかに難しい。
そういう違いを腹の底から受け容れるには相当な痛みが伴う。誰しもが
差し伸べた手をはねつけられればチクショウ!、と思う。しかし人は
決して自分の思うようには反応しない。思うようにならないということが、
人が人たる証しなのですから・・・

 ・・・誰の心も自分の皮膚の内側に閉じ込められていて、その牢獄を破る
ことはできないということを思い知れば、その牢獄の格子の隙間から
人を求めて伸ばされた手が、どれほど虚しく空をさ迷うかが分かる。
それは誰もが深い『実存的な孤独』を抱えているということに他ならない。
まさしくその『孤独』という一点でのみ人はつながり共感し得るのです・・・

 
 くしくも福祉関連の講座でそんな話をしながら、「孤独」という言葉を
口にしたその瞬間、凍りついたように静まり返った会場。息をのみ、目を
見開いた受講生たち。多分そのとき私は、身内にわき起こる何かと戦って
いて、緊迫した畳み掛けるような口調になっていたのだろう、と思う。

 そのとき身内にわき起こらんとした何か、それこそが「暴力的、頽廃」で
あったと、後日その言葉に触れたときに電撃的に気づかされる。それが
「福祉的な心情」を語っているときに私を襲おうとした正体であったと。
そして今もなおそれは私の身内に厳然と在り続けているのだと。
(だから「小説」っていうやつはすごい!)

 因みに後日送られてきた受講生の「振り返りシート」の一つに、こんな
文面があった。

 「先生は私たちに語られるときとても真剣な目をして私たちを見て話して
おられました。でも私は先生が私たちではなく、何か別のものを見ている
ような気がしました。先生は、大きく手を振り、身体ごと向きを変え、時折
上の方を仰ぎ見て言葉を発しておられました。それで先生が、『孤独』と
いうことに触れられたとき、とてもどきっとしました・・・

(うーん、この受講生もすごい!)

 「福祉の友」はただの「友」ではなかった。2度の講座と、その後のめまいの
症状を経た直後に、私の中にある「根源的な虚無」を暴き、今この瞬間にも
身内から私に困難な「統合」を迫るのである。
 

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2010年06月14日


かなりん <カウンセラーかなりんの遊々随想>

雨にも負けず…

 先週に引き続き、今日もまた研修講座でした。
ホームヘルパー2級取得講座であることも、テーマが
「共感的理解と基本的態度の形成」であることも先週と同じ
なのですが、今回は川崎市の「地域雇用想像推進事業」で
行われている研修です。従って会場もメンバーも違うし、
時間数も違う。勢いカリキュラムも内容も違ってきます。

 この講座で私が担当するのは今日だけなので、午前中は講義、
午後はCRP(カウンセリングロールプレイ)とグループワーク
という構成にしました。30名を超える受講生の皆さんの真剣さは
先日の講座と変わらず、密度の濃いワークができました。

100614kawasakikouza1.jpg100614kawasakikouza2.jpg


 それに今日は先日横浜で行った講座の振り返りシートが
私の手元に届き、どなたもA4のシートにびっしりと感想を
書き込んでくださっていて、読みながらとても感激して
しまいました。最後に「ドーナツおいしかったです!」と
つけ加えてくださった方も何人かいらっしゃって、嬉しい
かぎりでした。

 今回は、ドーナツを持っていけなかったのがちょっと残念
でしたが、振り返りシートは最後にお配りしてきましたので、
またさまざまな感想に出会えると思います。

 2週続けての講座で、大変な思いをしながら懸命に勉強に
取り組んでいらっしゃる皆さんの姿に触れ、胸が熱くなるのを
覚えました。心からエールを送ります。



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2010年06月07日


かなりん <カウンセラーかなりんの遊々随想>

「共感」とドーナツ

 今日は「縁」はお休みでしたが、私には
研修講座への出張講師の仕事が入っていました。
厚生労働省の「緊急人材育成支援事業」の一環として
行われている「介護職員養成研修」の講座です。

 何しろ全部で400時間という長丁場の研修で、
質の高い介護職員の養成を目指しているとのことで、
終了後には「ヘルパー2級」の資格も取れるそうです。
私が担当するのは、そのなかの16時間ほどで、
今日明日の2日間は「共感的理解と基本的態度の形成」、
それから8月初旬に組まれている「交流分析で自分の
特性を理解する」というテーマです。

 受講生諸氏は面接を受けて選ばれた30名。
それだけに意欲的で、時々発する私の質問にも活発に
答えてくださり、またもう大分一緒に学んでいらっしゃるので、
親密な雰囲気もあって、グループワークにはもってこいです。
今日は2時間足らずだったので、本格的なワークは明日
丸一日かけて行います。

100607kannnikouza1.jpg

 明日は「縁」のドーナツを皆に食べてもらおうと思い、
用意してあります。おやつを食べながらの交流は、
「共感」のテーマにぴったりじゃありませんか。
朝早くて、一日長くて大変ですが、とても楽しみです。

 
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2010年05月31日


かなりん <カウンセラーかなりんの遊々随想>

長い長い5月

 今日で5月が終わる。
ゴールデンウィークに始まり、
イベントでの大量販売が続いて
「縁」はオーバーワーク気味のスタート。

 ぎりぎりのスタッフでの店のきりもり、
知らぬうちに心身に溜まる疲労とストレス。
それぞれの胸のうちの葛藤。
話し合い、励まし合い、労わり合いながら
乗り切ってきた1ヶ月。

 現場は常にドラマの応酬。
様々な人が訪れ、様々な感情が交錯する。
そこに身を晒し、心を砕きながらの日々。
毎日が真剣勝負の1ヶ月。

 何回も危機は訪れ、その度に
心を奮い立たせてはやり過ごす。

 シェン・テは健在?ええ、まだ何とかね。

 今「縁」は何度目かの危機の中にいる。
私は風邪引きの重い頭を抱えて、あれこれと
智恵を絞る。

 シュイ・タはどうした?あゝ、あいつはもう
いなくなったよ。

 本当に長かった5月が終わる。


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