僕にとってのアイドルの一人が帰ってきた。
キリンカップで日本代表と対戦する、
ブルガリア代表チームの監督として。
フリスト・ストイチコフ
「彼の左足にはチタンが埋め込まれている」(金田喜稔 談)
彼がバルセロナで活躍していたとき、
稀代の名将、かのヨハン・クライフが監督だった。
同じFWのポジションにはリネカーがいた。
「典型的なストライカーは必要なかった。
欲しかったのは意思が強く、
独りでボールをゴールまで運べる選手だった。」
そうクライフに言わしめたストイチコフのプレーは、
時に独善的であり、問題児扱いされたこともあったが、
目標へ向けて最短距離を突き進む明確な意思があった。
94年のW杯アメリカ大会。対メキシコ戦。
ブルガリアが攻め込まれ、敵味方のほとんどが自陣にいる場面。
ボールがハーフウェーライン付近にいたストイチコフに出た。
彼は何の迷いもなく敵陣に向かってドリブルを始めた。
必死に食い下がるDFを右手に引き連れながら、
左足でボールを持ち、一直線に、あっという間に、
反応速度では世界でも随一の名手カンポスの待つゴール前まで来ると、
おそらく唯一のシュートコースであり、
GKも備えていたであろうゴール左上隅に、
素人では視認できない何かを突き刺した。
ゴールの中でくすぶっているボールと、
ストイチコフの怒っているようなガッツポーズを見て初めて、
一連のスペクタクルが完結したことを知った。
意思あるところに道は開ける
ちなみにこのとき、僕は大学生。
「浪人も留年もしなければ今頃社会人だったのにねえ」
というような友達との会話を覚えている。
意思ないところに道はないのヨ〜ン♪
あれから十余年。
ようやく労働デビューをしようかというところまで来た。
他愛のないブログのようにも思えるが、
ストイチコフのような意思を持ったつもりで、
書ききってみた。


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