私はそれに対して嫌悪感を抱いてきた。
それは家族の中で、祖母と母がお互いに裏を隠して表を装っていた
ことに嫌悪感を抱いていたからだと思う。
そうなりたくはないと、強く思っているからだと思う。
大学生の時、私はとりあえず笑っていた。
何か困ったことがあったりしても、とりあえず笑っていればいいと
思っていた。
もちろん意識的にそう思っていたわけではなくて、無意識に、だけれ
ども。
でも、それに自分で気付いた時、自分のそういう面がものすごく嫌だ
った。
当時の私でも、それが自分の心の何かを隠そうとするものだとわかっ
た。
そんな風に誤魔化すことが、嫌だった。
それからは逆に笑うのを抑制しようとする自分がいる。
でも、笑うことは私にとっての防衛なので、今でも無意識に笑って
誤魔化すことは多い。
笑って何かを誤魔化す、ということは母を連想させる。
だから嫌なのだと思う。
「とりあえず表面を繕っていれば」という面は、母から強く受け継い
でいる。
自分の中にそれを見つけると、嫌な感じがする。
話がずれてしまったけれど、とにかく私は表と裏を持つことが苦手
だ。
嫌なものは嫌だと、相手にわかるようにあからさまに出してしまう。
でも、それは生きにくい。
生きにくいことは自分でもわかっているんだけど、表と裏を使いわけ
ることも嫌で、結局は中途半端なところを彷徨っている。
ただ、私はそんな純粋なものではなくて、いろいろなものを抱えなが
ら生きている。
結局生きていく上で、そういう自分を受け入れ、たくましく生きてい
くのがいいんだろう。
わかってはいるんだけど、行動が難しいのよね。