2007年06月21日


405 <七色仮面の告白日記>

野方に胸キュン

東京は広いのか狭いのか、
なんて地理的なことを考えるより、
過去に好きなった人との関わりのある街を基準にすると、
情緒的な感覚を持って狭いなと感じてしまう。

このあいだ、CSNの会合で鷺ノ宮へ出かけた。
鷺ノ宮へ行くには、自分の住んでいるところから、
とある街を乗り換えがてら通過しなくてはならない。

その街は、野方。
今から5年前、好きになった人が住んでいた街だ。

彼とは、わずか2ヶ月で破綻した。
付き合った訳ではないので、破綻もなにもないのだけど。
彼の外見は背が高くスラッとし、話し方は大人っぽいのに、
時々見せる無邪気さが、自分の理想そのものだった。
彼に会える週末は会いたくて会いたくて、
会う約束のメールをするだけでも「ドキドキ」した。
メールの文章からも、彼の香りがしていた。
金曜日、夜を過ごすのは大抵彼の家で、
ただ二人でテレビを見ているだけだったけど、
自分はずっと緊張していた。
翌日は遅いランチを野方駅周辺でとり、
夕方帰るというのが基本だった。

彼への想いというのは、今思うとかなりの転移があり、
そのウワッとくる感じは自分なりの恋するパターンだった。
でもそんなことを知らない当時は彼に夢中で、
仕事も上の空になり、平日のどうでもいい時間にメール確認したりと、
かなり入れこんでいた感じだった。
しかし終わりというのか、彼との関係を清算を見据えた感じで終えた。

最後に彼の家に行った日、その日は初めて二人で飲みにいった。

ここは一つ、素の自分を出してみよう。
彼はどう反応するのか。
それで好きになってもらえたらいいのになぁなんて、、、

それは自分の「これでもか。。。」だった。
振りつけでカラオケをし、ぎゃ−ぎゃ−騒ぎ、、、
でもどこか楽しめない感があった。
そして彼の家へ向かったのだが、
素の自分がどうとかこうとかは何も言われていないのに、
彼のどんな反応にも恐怖を感じた。

その夜、眠れなかった。
そんな自分の想いを抑え切れず、
自分は彼が寝ている間にメモを残し、帰った。
「もし付き合えるなら、夕方メールください、メールがなかったら、
これで最後にします」

恋の盲目さ、ここにありといった感じで、
恋愛ドラマ並のことも、自分には大きな決断と勇気がいった。

野方駅前の踏み切りで電車の通過待ちをしていると、
彼からメールではなく、携帯電話が鳴った。
あれ、なんだろう、電話に出るべきか出ないべきか。。

どうしようなんの返事だろう。。
電車の通過待ちのわずかな間、とても長く感じた。

自分は電話に出なかった。留守電も入ってなかった。
そして駅のホームで、自分は泣いた。

彼の言いたかったことは、今だわからない。
彼の返事を聞くのが、非常に恐かった。
妄想が支配し、別に彼がそのあと何かしたわけではない。

このあと、サンプラ相談室に行けなくなった。
なぜなら、サンプラの最寄中野駅から「野方」ゆきのバスが出ていて、
その字を見るだけで、ダメだった。

あれから5年、そんな野方の街を歩いた。
彼と食事をした店、あの踏み切り、人目はばからず泣いたホーム、
おりしも時間は、あの頃きまって帰った夕方。

あの頃とは変化のあった自分、
懐かしさとともに、あの頃の自分に投げかける言葉もなく、
胸をキュンとさせていた。
違ったのは、あの頃と別方面の電車に乗ったことくらい。

今、野方と同じ中野区に住み、暮らしている。
でもこの街は、どこか同じ区でありながら、別のような気がしている。
そんな思い入れのある街は、東京にたくさんあるけど、
胸キュンと隣合ってる東京も、好きです。


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posted by CSNメンバー at 20:09 | Comment(0) | TrackBack(0)
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