10時30分から始まった 午前の部は、「五感を響かせて」と題して、実行委員の1人でもあり、女優でもある小口ゆいさんが、その独特の語りで金子みすゞの詩を朗読、その後渋谷在住のフルート奏者波戸崎操さんによる演奏、そして最後にお二人のコラボレーションで幕を閉じました。
午後からは、開会セレモニーが行われ、実行委員長の挨拶の後共催の渋谷区から区長区議会議長の挨拶などがあり、その後NHKアナウンサー堀尾正明氏の「今、地域力とは?」と題した基調講演、続いてのタウンミーティングでは、渋谷区で20年余に渡り精力的に障害者支援活動を続けているNPO法人ぱれっと理事長の谷口奈保子さんの実践報告、フロアとのディスカッション、そして閉会式では直前のフロアとのやりとりを基に「しぶやフォーラム2006,1.21提言」をその場でつくり田内三枝子副実行委員長が読み上げて終了となりました。その後の1時間ばかりは、会場に飲み物やつまみを用意しての「女と男のしゃべり場」で、にぎやかなお喋りのひとときを過ごしました。
司会者かなりんは最初から最後まで出ずっぱりで休憩もままならいなか、我ながらよく頑張ったと思います。但し失敗もありました。堀尾アナウンサーを紹介するとき、「『ご近所の底力』という番組でおなじみの…」と言いつつ、その番組を一回も見たことも聞いたこともない私はつい字面のまま「ゴキンジョノテイリョク」と読んでしまい、堀尾さんに「『ソコヂカラ』です」と訂正され、あげくに講演の最中に何度も「ゴキンジョノテイリョク、あ、違った」とネタにされ、おもわず「しつこい!」と叫んでしまいました。それで、終了後の質疑応答でNHKの問題について長〜い質問をしたおじさんへの返答につまってしまった堀尾アナに「そこはNHKのテイリョクで…」と一本やり返したというおまけつきエピソードでした。
また、開会セレモニーでは区長挨拶のときだけずらっと前の方に陣取っていた区議会議員の面々が、セレモニーが終了するや否やそそくさと席を立ち出て行ってしまったのにも驚きました。地域の人達がどんなことを考え実行しているのかを聞いていこうという姿勢は全く見られませんでした。「鼻白む」というのはまさにこういうときのことですね。
「さすが筋金入りの活動家」と感心したのは、やはり谷口氏の実践報告です。過去20年の苦難の道をさらりと振り返りながら、なおも精力的な活動を続け、しかも世代交代の重要性を訴え、自らも数年後には後身に後を託して引退すると宣言までしてしまう姿は見習うべきものが多く、感銘を受けました。
地域活動に名を借りてボス的地位にしがみつく高齢者の事例も見聞きするなか、谷口氏の主張は誠に意味あるものでした。彼女とさして年齢の違わない私も肝に銘じようと思いましたね。彼女とはそれこそ「ご近所」ですので、これをご縁にネットワークを組み「テイリョク」を発揮したいと考えています。
さてそんなこんなでめでたく終わりを告げた地域イベント初参加体験。「貢献した」とは言えないまでも、時間と労力を費やした甲斐はあったというのが総括的感想です。