2014年02月15日


かなりん <カウンセラーかなりんの遊々随想>

勘冴えて寒極む夜

 先週末頃から突如ある映画がみたくなった。
スタジオジブリのアニメ作品、高畑勲監督の
「かぐや姫の物語」である。
それも上映期間終了間近というぎりぎりになって
何故か俄然みたくなった。絶対に映画館で。

 自慢じゃないがこの手の勘には確信がある。
かなりの確率ではずさない。自分のなかに沸き起こる
感じが自分を裏切ることはない。料理のおいしい店を
探し出す嗅覚なんぞもなかなかのものなのだ。

 そんなわけで慌ただしく上映館を探してみると、
もうやっているところは多くない。それに渋谷も
新宿も朝早くか夜遅くの一回上映になっている。
池袋か銀座に出るしかない。
さほど日の余裕もなさそうだ。

 そこで急遽一昨日の仕事帰りに銀座まで足をのばし、
がらがらの最終回をみた。よかった! 
無理して来た甲斐があった。

 線描のあっさりした画質がいい。
今までのアニメとまるで雰囲気が違う。そして美しい。

 これまでにジブリのアニメは何本かみている。
「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」…。
どれも評判に引かれて行ったが、余り心に残らなかった。
どうもアニメは性に合わないみたいと思っていた。

 それが今回はスーッと引き込まれた。
じわっとした感動を覚えた。優しく、激しく、切なかった。
上質の料理を味わった気分になった。

 映画館を出ると切るような寒い風。
裏通りの路地をうろつき、勘を頼りに中華料理屋に
入った。ピータン、豆腐のサラダ、生春巻き、焼きそば、
どの料理もおいしい。勘の冴えに乾杯!の一日だった。



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posted by CSNメンバー at 19:05 | Comment(0) | TrackBack(0)
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