チラシが入っていたので、早速施設見学に行った。
入口に立つとインターフォンがあり、それを押して中に入れてもらった。
オープン後は入会時に発行されるセキュリティカードで自由に出入りができ、
フロントスタッフにカードの提示をする必要はない。
そもそもフロントの設備がなく、入口のドアを開けるとそのままジムエリアとなり、
所狭しとジムマシンが整然に配置されている。
更衣室は建物の構造で男女分けをしていなく、
同じスペースに「この先は女性用」と目印をし区分けしているだけだ。
荷物はロッカーによる施錠というものではなく、
大きな備え付けの棚に置き、必要なら有料のロッカーを契約する。
スタッフは日中のみ在籍しあとは不在となるため、
安全、防犯面で何か起きたら館内にあるブザーで警備会社へ連絡をする。
それなりにマシン機器はそろっているものの、
従来のジムにあるような華美な造りやスタッフのサービスに慣れていると、
非常に無機質な印象を受ける。
というのもこのジムの売りは、
いつでも手軽に、マシンに特化し、格安で利用できるのが謳い文句だ。
ジムにおけるこれまでの常識を「過剰なサービス」として位置づけ、
ごくシンプルなつくりにしたのだ。
その過剰なものとは、おそらくスタッフであり人件費だ。
そして施設の造りもプールやジャグジーといった設備がなく、
マシンのメンテナンスだけで償却できるようになっている。
このようにして人件費や施設維持費をかけないぶん、
コストが抑えられ低価格を実現させているのだが、
そうはいっても地域にもよるが月額6〜7,000円はかかり、
従来のジムで月額平均10,000円前後なのでわずかながら安いだけだ。
案内係いわく、「利用は自己管理でお願いしています」とのこと。
過剰なものを削ぎ落とした結果は自己管理であるという構図は、
マシン利用の安全や貴重品の保管等に関してもそれを求める。
日本は安全な国とはいえ物騒な事件はあとをたたないし、
マシンを使い慣れていてもいつケガをするかわからない。
ジムという特質上、スタッフは欠かせないと思う。
24時間いつでもという利便の追求には、必ず代償がつく。
そして「働く場」も削がれているのも実感した。
これはこのジムだけに限ったことではないのだ。