それはお隣さんのトイレを流す音だ。
どうやら朝早く出かける仕事みたいで、
私は無理やり起こされたようでイラつきを感じても、
でかい物音もなくトイレを1回流す程度なら、
お互いさまだしと布団をかぶります。
しかしあるときから2回、3回と流すようになり、
ゴーッという音を聞くたびに布団をかぶっても眠れず、
ひどいときには10回も流すことがありました。
1時間ほどしてお隣さんが出ていく音を確かめて
再び眠れろうとしますが、時間は6時。。
これがたまになら「何かあったかな」と思えるものの、
毎日のように続くとさすがに私も耐え切れず、大家さんに相談をしました。
そして、その日のうちに返答がきた。
大家さんいわく、お隣さんは「そんなに流してない!」と反論したらしいが、
私は2回くらいならまだしも、1時間に10回流すのは眠りの妨げになると訴え、
再度大家さんに掛け合ってもらったところ、
お隣さんは何かしらの病を患い、そのためトイレへ行く回数が多いのだと言う。
かといって、そのために私が寝不足になるのもどうかと伝え、
それならばと大家さんの提案で、トイレを何回か溜めて流すよう促してくれ、
翌朝からトイレの流す音は聞こえるけど、10回というのはなくなりました。
今朝も大家さんから「あれからトイレの音はどうですか?」と電話があり、
「トイレの音が響きにくい物件があるんですがねぇ、オホホ」と、
気にかけているのか商売なのかわからないことを話していました。
さて、別の話…
家から駅までの近道に、車一台が通れる十字路があり、
その南側と東側に面して玄関がある、見た目に古い戸建ての家が建っています。
この東側玄関前がどうやら私道のようで、
「私道につき通行を禁ず」と立て看板があり、
「ここは私道なのに、区役所は何もしてくれない」と張り紙があり、
よく見るとその付近だけコンクリートが陥没していて、
いかにも何かありそうな雰囲気です。
私がこの道を通りはじめたある日、杖をついて立っているおばさんと出会いました。
道行く人を見ているようで、私も何気なくその人の前を通ったら、
「ここを通ろうなんて甘いんだよ」とつぶやかれたのです。
そう、その人はこの私道の持ち主で、しかも面と向かわずにつぶやくんです。
以来出くわすたびに「近頃の人ときたら」とか「緊張がたりない」とか言われるので、
私は嫌な気分を避けるために、そこを通る場合は女主人がいないかを見計らうか、
見かけたら別ルートで行くようにしています。
なのに一昨日、女主人の姿を見かけて一瞬どうしようかと考え、
ちょっと通ってみようと思い知らん顔して通ったら、
案の定「通行料500円でも取ろうかしら」と、つぶやかれました。
私も嫌な気分になるくらいなら、私道の定義を知って通行しなければよいのでしょう。
しかし車一台が通れる道で公道との線引きはあいまいで、
私有地という考えなら嫌な気分になるのはお門違いのようだし、
人によっては、狭い私道に関しては「お互いさま」ではないかという意見も。
お隣さんとの一件とは別物として「お互いさま」では済まされない様々なことが、
近所でもあるのだなと思いました。