お人好しだね。とか、優しすぎるね。とか、面倒見がいいね。とか、
度々、近辺の人から評価される事があっても、そーかなー?という程度
で気にとめる事も無かった。
しかし今週、ある事をきっかけに、「おせっかい」な自分が顕著に頭を
もたげた。そして、しっかり「おせっかい」な自分が表在化した事で自己
嫌悪に陥ってしまった。5日間もモヤモヤと考えた。
本当に何故あんな事を言ってしまったんだろう?言わなきゃ良かったのに。
穴が有ったら入りたい位の勢いで、グルグルと同じ事が頭の中で渦巻き、後
悔を繰り返した。
今朝辺りから、お節介な自分を少しづつ自重し、お節介な言動や行動を起こし
たくなったら一呼吸置く事を意識しようと思い始めた。
すると今日、早くも意識するべく事件が起きた。事件というには大袈裟かも
しれないが。
さほど混んでもいない電車の中、「あっ、すみません。」という熟年男性の
慌てた声がした。今朝出勤時の出来事で、私は座席で本を読んでいた。
ふと、その声に正面を見上げた。すると向い側に立って居て、私からは顔の
見えない後ろ向きの男性がリュックをガサガサと開け、白いタオルを出して
いる様子が目に入った。どうやら、その男性はペットボトルの蓋をしっかり
閉めないままリュックに入れてしまった様だ。
男性の前に座した女性は怒りでムッとしていた。
網棚にリュックを上げようとした際、女性の携帯に水滴がポタポタ。
そんな一連の動作を連想した。若い、その女性は男性が差し出した白いタオル
を無視し、自分のハンカチで携帯を何度も何度も拭いた。無言の迫力。
男性は受け取って貰えなかったタオルに替えて、自分のハンカチを差し出した。
しかし相手は無視。男性は遣る瀬無い口調で小さく「チクショウ、チクショウ」
と繰り返しながらペットボトルの水に怒りをぶつけている様だった。
男性はリュックを足元に置いたり、手元に持ち上げたりとしていた。
様子を窺っていた私には、男性のリュックの底からポタポタと水が漏れ落ちて
いる様子がハッキリ見えた。
いつもの私なら、その男性に(水が漏れているから電車の片隅に寄って、リュッ
クの中身を出し、水をタオルで吸収したら如何ですか?)と同情していただろう。
しかし、間を置き相手の様子や周囲の人の様子を観ていた。
リュックの底から漏れ出した水が周囲に四方八方と一筋の線になり乗客の足元に
及んだ。一人、二人、三人と乗客が眉間に皺を寄せ始めた。
露骨に男性をチラチラと睨みつける熟年男性。足元の水で靴が濡れた女性は、水
の線を辿って原因の男性を見つけた・・さあーどーする?その女性はムッと無言。
その様子を観ていた私は、原因の男性は新聞を読んでいる為、水漏に因る周囲への
迷惑に気が付いていないのだろう。と、考えた。
もう言いたくて言いたくて、教えたくて教えたくて仕方が無かった。
でも我慢して様子を観ていた。
そんな中、車が停車し、ゾロゾロと人が混み入り始めた。当然ながら、足元の水に
不審を抱く人々の視線が原因の男性に集中した。
「ただの水ですから!」と、一言。原因の男性は隣に立った男性に釈明した。
え〜っ?知っていた!水が流れ出て、車中で人々の靴を濡らしている事を。
知っていて平然と新聞を立ち読みしていた。車中のど真ん中で。
ナンデ〜ッ?ナンデ?ナンデ?
もし、いつもの様に私が声をかけていたら結果はどうだったろうか?
素直に片隅に寄ってタオルで拭いただろうか?
余計なお節介なのだろうか?恥ずかしさで新聞を読んだ振りをしたのだろうか?
どうなんだろう?リュックの中身は水浸しの筈だ。ボトル全部の水が流れ出た感じ
だった。諦め?開き直り?そんな筈は無い・・リュックから多くの水が流れ出すま
でに数分の間は有った。すぐ拭けば、周囲に対する迷惑は防げた筈だ。
イライラしながらも誰も何も言わなかった。
又、考えてしまった。言うべきか言わざるべきか。
当然、私の価値観からすれば言うべきだ・・どうだろう?
お節介?いや、そうでは無い?
お節介かどうかは相手の捉え方次第だろうか?どうなんだろう?


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