2009年08月07日


ひろみん <臨床検査技師・ひろみんのラブ&ピース>

高川山のビッキー

山の上のピッキー。
今週火曜日、山梨県の初狩駅から高川山(975m)に一人登山した。
平日で曇り。往きは誰一人として出会わず、単調な登りに珍しく溜息。
高川山は秀麗富獄十二景の11番山頂に当たる。
頂上は360度の大展望で真正面に富士山が見え、南アルプスの間ノ岳、
甲斐駒ケ岳も見える予定だった。

曇りの為か、木々の緑が冴えず、何故か植物の息吹さえも絶え絶えの
ような気がして、登る気力に欠けてしまった。7月下旬に行った谷川岳
一の倉沢があまりにも絶景だった為、その差に・・。

足取り重く、やっと頂上が見えて来た。
えっ?誰か待っているのか?じ〜っと見下ろす視線。
見上げている私を待っているのだろうか?
暫く相手の出方を見た。動かない。
グレーに所々白の混じった毛と真っ黒な瞳。

恐る恐る、相手の視線を外しながら頂上に到達してみた。
相手は視線をこちらに向けながらも距離を縮めては来ない。
ホッとした。そして奇妙な親しみを覚えた。
優しく穏やかで寂しげなワンちゃん。首輪をしていた。

子供の頃、スピッツに思い切り足首を噛まれて以来、犬が恐い。
どんなに可愛く小さな犬でも自分から近づいた事は無い。
犬が近づくと足が竦む思いで、直立不動になる。

頂上にワンちゃんの飼い主は見当たらない。
頂上には私とワンちゃんだけだった。不思議なワンちゃん。
何故か気持ちを読まれている錯覚がする。怖くない!
近づいて頭を撫でてあげたかった。でも、しなかった。
そのうち、ワンちゃんは曇って見えない富士山の方向をみながら、崖淵の
石の上に、山を眺める様に座った。不思議な時間が過ぎた。

霧で360度、すっきりしない景色にガッカリしながらも気持ちは和んだ。
下山しようとワンちゃんの傍を離れ、頂上から下に降り始めた。
ワンちゃんがスッと立ち上がり、後を追って来た。
別れ難かった。何か食べ物を置いていきたかったが、ワンちゃんが食べれ
そうな物を持っていなかった。可哀想だった。
何度も何度も頂上を振り返り下山した。その度にワンちゃんの視線を感じた。
人間だったら親友になれたかも。

麓近くになって、一匹の犬と一緒に登山する女性と出会った。
連れていた犬は頂上で見た犬と同種だった。
私は思わず、「その犬は・・・。」と語りかけた。
その女性は「この犬に似た犬が上に居たでしょう。もう7年経つのよ。冬も
立派に越せるし。」
驚いた私は「飼い主に置き去りにされたのでしょうか?食べ物は?」と聞いた。
「迷ったか、置き去りでしょう。食べ物は登山者が与えているみたい。」と。

ワンちゃんの寂しげな顔がチラつく中、農家のお爺さんに出会った。
「もう登って来たの?頂上にビッキーは、いた?」とお爺さん。
「えっ、あの犬はビッキーと言うんですか?」と問う私。

「登山者が皆で名前をビッキーとつけて可愛がっているんだよ。今日は平日で誰
もいないけど土曜日は賑やかで、登山者が登ると、ビッキーが人懐っこく近づい
て来るから、登山者には大人気なんだよ。」とお爺さんは説明してくれた。

ああ〜。良かった。登山者がちゃんと食べ物を用意してくれて!
低い山は夏山では無く、富士山に雪が積る頃に登った方が絶景に出逢えるという事
をしみじみと感じた登山だった。
又の機会には秋冬、ビッキーの食べ物を用意して行きたい。

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posted by CSNメンバー at 19:00 | Comment(6) | TrackBack(1)
この記事へのコメント
ビッキーまだ元気なんですね。
僕が最初に会ったのは2002年の12月。
いつ頃からあそこにいるのか分かりませんが、たくましく生きていますね。
2002年以来高川山には登っていないので、今年の秋あたりに行ってみようかな。

通りすがりの者でした・・・。
Posted by shun at 2009年08月25日 18:28
shunさん
とっても素敵なコメント有難うございます。
2001年頃からビッキーは高川山に住んでいた様です。
いろんな人との出会いが有った事をネットで知りました。
ビッキーを通して、登山者の方々の優しさに触れ心温まる思いでした。
私も不思議な魅力を持つビッキーに、又逢いに行きたいと思っています。
Posted by ひろみん at 2009年08月25日 21:12
はじめまして。
ビッキーのこと知らないで行くとびっくりしますよね。遠目には熊に見えるし(=^・^=)ゞ
今度行くときは,柔らかい餌を持っていってあげてください。
Posted by 柴犬ポコ at 2009年10月17日 11:04
柴犬ポコさん、こんばんわ。
今日はNPO祭りで、今帰って来ました。
ビッキーのコメントを見て、とっても嬉しく、懐かしく思い出しました。

へ〜!遠目に熊さんに見えるんだ〜。
柔らかい餌を持って是非、行かなくちゃ〜。
Posted by ひろみん at 2009年10月19日 00:27
以前コメントした者です。

ビッキーが先週亡くなっているのが発見されたようです。
柴犬ポコさんのブログを見て知りました。

ビッキーに会うために高川山に登る人も多かったことでしょう。
富士山をバックにしたあの雄姿が見れないと思うと残念です。

あの場所で飼い主を待ち続けていたとも言われていますが、
多くの登山者に愛され幸せな人生だったのかもしれませんね・・・。
Posted by shun at 2010年10月13日 00:03
shunさん。お久しぶりです。
今朝、ブログを開いて思わず涙ボロリです。
10月6日に亡くなっていたんですね。
去年の10月に再会のため、高川山に登りました。しかしビッキーに逢えませんでした。
その時、泣く泣く持ち帰ったペディグリーチャムは机の上に置かれたままです。

来月、紅葉の時期、再チャレンジする予定でした。とても残念です。飼い主を待っていたんでしょうか・・。
shunさんにお知らせ頂き、柴犬ポコさんと「つるビー」さんのブログで詳細が分かりました。
本当に私の事を忘れずにいて下さり有難うございました。
お二人のブログを拝見し、在りし頃のビッキーの姿と山の背景が美しく写真で見れました。
本当に感謝申し上げます。
Posted by ひろみん at 2010年10月16日 09:52
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訃報 高川山のビッキー
Excerpt: 悲しいお知らせがあります。十月六日午前十一時頃、高川山の山頂から一段低い岩の上で眠るように亡くなっているビッキーを発見しました。 例のノートによると、昨日の昼頃までは生きていたそうです。 死..
Weblog: 柴犬ポコの人連れ登山
Tracked: 2010-10-17 00:20