2009年04月13日


かなりん <カウンセラーかなりんの遊々随想>

並列読書

 読書の方法というのはその人によって違うと思いますが、
私は読み返しの古い本も含めていつも6〜7冊くらいを手元に
おいておき、その日その時の気分によって手にした本を
読み進めています。

 今リビングのテーブルの上に置いてあるのは・・・

@ 「人は無意識の世界で何をしているのか」(千葉康則著、PHP研究所)
A 「できそこないの男たち」(福岡伸一著、光文社)
B 「なぜ仕事するの?」(松永真里著、角川文庫)
C 「美しい日本の掲示板」(鈴木淳史著、羊泉社)
D 「中村うさぎ 人生張ってます−無頼な女達と語る」(中村うさぎ著、小学館)
E 「健全な肉体に狂気は宿る−生きづらさの正体」(内田樹・春日武彦著、角川書店)
F 「交流分析療法」(新里里春著、チーム医療)

の7冊です。それに「社会起業家」の特集をしている「週間ダイヤモンド」、
学会から送ってきた「カウンセリング研究」などの雑誌や学会誌などが
散乱しています。

 この中で@とFはもう何回か読み返している本、Aはスイマーさんから
借りてきたもの、C〜Eは、例の会員さん(こちらを参照)が持ってきて
下さったものです。最近自分で買ったのはBだけですねえ。本を持って
きてくださる会員さんのお陰で出費が減りました。ありがたいことです。

 思えばこの習慣は子ども時代からのものです。その当時は余り
本を買ってもらう余裕もなく、お金持ちの親戚の従姉の家へ行っては、
「講談社少年少女文学全集」なんかを沢山貰ってきて、ずらっと
机の上に並べては、「今日はどれを読もう」とワクワクしながら手に取って
ページを開いた、あの頃の体験がしみついているのかもしれません。

 以前やはりその会員さんが持ってきてくださった本のなかに、「本は
10冊同時に読め!」というのがあって、「へ〜、同じことをしている人が
いるんだ」と「我が意を得たり!」みたいな気分になりました。著者は、
元マイクロソフト社長の成毛眞氏。氏はビジネス界きっての読書家として
知られるそうですが、確かに氏の読書量というのは並じゃありませんね。
ジャンルもインドのIT産業に関するものから、外国文学、古典芸能、
写真集や料理の本までともの凄く幅広い。それにリビングだけでなく、
浴室やトイレなど家中至る所に本を置いておくと言います。出かける
ときも常に数冊は携帯するそうで、いやはや私など足元にも及ばぬ
読書ぶり。読後は「我が意を得た」なんて気分は吹き飛んじゃいました。

 氏は「本を読まない人はサルである」とまで言っていますが、それ程
極端なことは思わないにせよ、「本は最後まで熟読する必要はない」
とか「読書に目的をもつな」とかの提言には賛同するところも多くあります。
確かにハウツー本やベストセラーなどは中味が薄いものが多いので、
ダーッと斜め読みすれば内容は大体つかめます。面白くないと思ったら
途中で読むのをやめてさっさと次に移ってしまうところも、「読書」を
「娯楽」だと捉えているところも似ている。「本好きで大量に読む読書家は、
うまく本を読み飛ばしている人が多いが、読書があまり好きではなく、
読むのが遅い人ほど、1冊1冊を丁寧に読む」という指摘は、なるほどと
思いました。

 氏は「本嫌いな人と付き合う必要はない」とも言っています。
「会話に深みがないのですぐに分かるし、そういう人とぐだぐだ
話しても時間の無駄」と切って捨てます。まあそういうところもあるな、
とも思いますが、「人間の深み」というのは本だけでできるものでもない、
とも思います。氏の歯切れのよさは気持ちのよいところもありますが、
同時にタイトルの「読め!」という命令形が示すような押しつけがましさも
感じてしまいます。「並列読書」を愛する「同好の士」ではあっても、
そういうところが、ビジネス界で成功を収めている氏と、弱小NPOで
悪戦苦闘している私との違い、というか差なんでしょうね。

 さて、そんな私の並列読書、現在の状況はDとEは面白くて
一気に読了、@とFは再読したいところを毎日少しずつ読んでいる
最中で、Aは最初の方だけ読んで面白そうだったのだけど、
このところ気分の合う日がなくて中断しており、BとCはダーッと
斜め読みの部類、といったところです。

 そういえばこの中に「小説」が一冊もないことに気づきました。
このところご無沙汰していた本屋に行って、面白そうな小説でも
何冊か仕入れてきましょうか。

blogranking.gif

ブログランキング・にほんブログ村へ

↑ブログを読んだらクリックしてね!
posted by CSNメンバー at 17:59 | Comment(0) | TrackBack(0)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック