がありましたが、今日はその「おウチ」のスペースについて
考えてみようと思います。
よく「あの人は心が広い」とか、「そんな心の狭いことでどうする」
とか言われますが、前者は「寛大でおおらか」、後者は「窮屈で頑固」
といったようなイメージがありますね。これってやはり「ココロのおウチ」
のスペースがどのくらいあるか、ということに関わっているような気が
します。
ただ、一口に「広い」とか「狭い」とか言っても、そのつくりは様々です。
間口だけは広いけれど、奥行きがないおウチとか、その逆に入口は
狭いけれど、中に入ったら以外に広々しているとかいろいろあります。
いずれにしてもスペースに余裕がないと、自分一人がいるだけで
一杯になってしまって、なかなか人を入れることができません。
よしんば入れたとしても、その人が勝手に動き回れば自分に多大な
影響があるので、できるだけ閉め出したくなってしまうのですね。
これ、「引きこもり」の心性です。
身体は人の中にいながら、こころが引きこもっている人は結構います。
そういう人はドアに頑丈に鍵をかけて、人を中に入れないようにして、
一人の世界に閉じこもっているのですね。
だから「引きこもり」という現象には、こころの「スペース」が関わっている
のだと、私はにらんでいます。抑うつ的になりやすいとか、神経症的な
行動が出がちな人もこの「スペース」が狭いことが多いのですね。
誰しも思春期の頃までは狭いおウチに住んでいます。それを徐々に
自分の力で広げていくわけですが、これがそうそう簡単ではない。
うまくいかずに狭いスペースのまま住み続けることになってしまう。
スペースが狭いとちょっとした異物も受け付けられなくなることも
よくあります。人の何気ない言葉や態度に過剰に傷つく人というのも
大人になる過程でスペースを広げられなかった人ですね。
前述したように、その「つくり」が十分でない場合も多いですね。
玄関だけは広げてみても、奥行きを広げられなければ、
いつも人と立ち話しくらいしかできないし、奥行きは広げても
入口が狭ければ、人は気楽に入って来られません。
こんなことを考えたのは、先月受けた「訪問支援員養成講座」
(こちらを参照)のレポートを書いたのがきっかけです。カウンセラーも
「ココロのおウチ」をいつも訪問しては、そのスペースやつくりを観察し、
どういうおウチに住んでいる人かを見極める。なかなか中に入れて
くれない人や、いつまでたっても立ち話しかしない人や、奥には通して
くれたけれど全体のつくりがよくつかめない人や、なかにはすざまじく
荒廃しているおウチだってある。事例では分厚い「訪問支援マニュアル」
に負けないくらい「ココロのおウチ」を取り巻く環境は多様です。
カウンセラーも「訪問支援」をしているじゃん!って考えたら、随分
違う世界に見えたあのセミナーの内容が、ぐっと身近に思えてきました。
もっとも実際のおウチを訪問するのと、ココロのおウチを訪問するのと
全く同じことだとは言えません。それでもこれからの体験学習で
私のココロのおウチのスペースを広げることはできそうだと、楽しみに
しています。
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