が物議を醸しているらしい。科目は「日本美術史」
講師は東大教授の佐藤康宏客員教授。その問題は
画家が戦前・戦中に弾圧されたり、逆に戦争に協力
したりした歴史に関する解説の文章から、画家名の
誤りを見つける問題だという。
「問題視されたのは問題文の導入部5行。
“現在の政権は、日本が再び戦争をするための
体制を整えつつある。平和と自国民を守るのが目的と
いうが、ほとんどの戦争はそういう口実で起きる。
1931年の満州事変に始まる戦争もそうだった”
“表現の自由を抑圧し情報をコントロールすることは、
国民から批判する力を奪う有効な手段だった”などと
あった。」(以上毎日新聞10.20朝刊より)
670名が受験し、その当日学内のオンライン
システムに学生からの疑義があった。
「現在審議が続いている事案に対して、このような
ことをするのは問題」「思想誘導と取られかねない
愚かな行為」だというものらしい。
大学側は学生の疑義を受け入れ、学内サイトに
掲載するに問題文から冒頭の部分を削除した。
佐藤教授は納得せずに、今年度一杯で放大の
教授を退任する意向を示したとのこと。
私も放大で臨床心理を学んでいるが、講師陣の
魅力はなかなかのものだ。学識や知見の高さは
もちろんだが、自身の立場や考え方をはっきりと
表明している先生が多いからだと言える。
そういう色がない講義は面白くない。
産経新聞は、佐藤教授の問題を「」つきで
「偏向」問題と書いている。上記の学生の意見を
もっともだと思う向きも多かろう。ネット上では
賛否がほゞ半々なそうな。一人の「疑義」の陰には
かなり多くの同調者がいたとみてもいい。私のように
「偏向」を面白がる生徒ばかりじゃあるまい。
放大の疑義制度というのは、学生を守るうえで
必要なものだと思う。だがもし教授と学生とが
逆のことを言っていたら、大学側はその疑義を
取り上げてそれに応えただろうか…ということに
なると甚だ疑問ではある。
しかしだ。「言論の自由」を言うのなら、
右寄りも左寄りも併せ呑むくらいの覚悟がいる。
もし教授と学生が逆だったら、その疑義の味は
どうだったんだろうと考えると、今回の話の
苦さはまたひとしおに感じられる。
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